開発技術名

「高温乾燥期の夕方かん水によるブドウの着色促進」

 

技術開発の経緯

 近年、優良新品種の導入が進んでいるが、果実生育期の降水量の変動が著しくなり、果実品質の低下が多くみられるようになった。しかし、県下のブドウ園では一部でチューブかん水等が実施されているのみで、多くの園地ではかん水設備がなく、干ばつ時には貯水したタンクを園地に運搬して個々の樹にかん水する等多大な労力がかかっている。そこで、大粒系ブドウ優良品種における安定生産のための効率的、省力的なかん水技術を検討した。

 

開発技術の内容

ア 除草等管理作業に支障がない棚配管で、タイマー操作可能なマイクロスプリンクラーを用いて、果粒軟化期~成熟期の晴天日夕方にかん水を行うことで、土壌水分の安定、地温の低下により、着色促進等品質向上効果が得られる。なお、品質向上面では2t/10aが最も効果的である。
イ 水源や電源等のない園でも、棚配管の点滴かん水設備(ノズル数4か所/樹)を用い、棚より上部に設置したタンクへ水をくみ上げ、高低差による水圧を利用することで、園地内の各ノズルからほぼ均一に夕方2t/10aかん水が可能となる。
ウ マイクロスプリンクラーと点滴かん水の設備は生産者による設置が可能であり、10a当たりの資材費はマイクロスプリンクラーが約22万円、点滴かん水が約12万円である。

 

期待する効果

 高温乾燥時に着色促進等果実品質の改善が図れる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2424 (作成者:水田 泰徳)