開発技術名
「アサクラサンショウの安定生産技術」
技術開発の経緯
アサクラサンショウは県北部が発祥の地域特産物で、「但馬ブランド」として振興が図られているが、放任樹が多いため樹高が高く、作業性に難がある。また、自然交配による結実は年次によって不安定であり、園地による収量、果実品質にもばらつきがみられる(平成26年度朝来・豊岡・新温泉農業改良普及センター要望課題)。
開発技術の内容
ア アサクラサンショウの低樹高栽培(樹高2~2.5m)には、開心自然形整枝が適し、放任樹よりも多収で大粒、大房であり、果実品質も優れる。また作業時間も主幹形整枝より短く、省力的である。結果母枝は、先端を1/3程度切り返すことにより収量を維持したまま品質が向上する。
イ アサクラサンショウに似た形質を持つ、ほとんどトゲのない雄株を選抜し、この雄株を混植すると、半径5m以内では有意な結実向上効果が認められる。
ウ アサクラサンショウに対する春肥の施用(3月中旬)は、若木では窒素成分量8㎏/10a、成木では12㎏/10aで増収効果、果実品質向上効果が顕著に認められる。
期待する効果
ア この整枝せん定法により収量は放任樹より20%増となるとともに、収穫作業時間(/㎏)は40%減となる。
イ 雄株導入による結実率は大きく向上し(対照園の40~60%増)、結実の安定化に大きく貢献できる。
ウ 慣行の無施用に比べ、春肥の施用は約30%の収量増が見込める。
連絡先
農業技術センター農産園芸部 0790-47-2424 (作成者:真野隆司)