開発技術名
「強勢台木の利用による極早生ミカン「ゆら早生」の早期安定生産技術」
技術開発の経緯
現在、主に淡路地域で導入が進んでいる「ゆら早生」は、従来のカラタチ台の苗木では幼木期の生育が緩慢で、結実開始後は樹勢が弱まる傾向がある。そこで強勢台木「スイングルシトルメロ」を台木として利用し、苗木の初期生育の改善と早期安定生産について検討した。
開発技術の内容
「ゆら早生」において、スイングルシトルメロを台木として利用した場合、結実開始2年目である4年生樹の樹冠容積、果実品質、収量について評価したところ、スイングルシトルメロ台では、従来のカラタチ台に比べ、果実品質に差は無いが、樹冠容積は3.2倍大きくなり、1樹あたりの収量は2.6倍多くなることから、早期安定生産が可能である。
樹勢が強まることから、間引きせん定を中心とした従来より弱いせん定を行うことで、着花を安定的に確保することができる。
期待する効果
県下のカンキツ産地のうち、従来のカラタチ台では樹勢維持が困難な耕土が浅い場所において、樹勢の弱い品種を改植する際に、スイングルシトルメロを台木としたものを定植することで、早期の樹冠拡大と安定生産による未収益期間の短縮が可能になり、カンキツ経営の改善に貢献できる。
連絡先
淡路農業技術センター農業部 0799-42-4880 (作成者:宗田 健二)