開発技術名
「淡路現地に適した自動灌水装置を用いたストックの省力灌水技術」
技術開発の経緯
淡路のストック生産は二期作を組み合わせた長期出荷を実施しており、市場での引き合いが強い。しかし、淡路現地では、栽植密度を高めた上で灌水を手作業で行うなど、特殊な管理により高品質生産を行っている。そのため、全作業時間における灌水作業の割合は、1~3月出しの作型で14.2%となっており(平成13年度版地域農業経営指導ハンドブック)、規模拡大の阻害要因となっている。そこで、手灌水と同等の切り花品質を確保しつつ、灌水作業を省力化すべく技術開発に取り組んだ。
開発技術の内容
ア スタンダードストック‘ホワイトアイアン’において、灌水装置として120°散水ノズル(吐出量1.4L/min、飛距離のうち長さ90cm、幅160cm)を30cm間隔に取り付けたパイプを用いる。地表から深さ15cmにpFメーターを設置し、pF値1.9~2.0の範囲にタイマー制御(1回2分灌水)して週960~1280L/a灌水することで、手灌水と同等の切り花品質の確保が可能となる。なお、同様に灌水装置として散水チューブ(散水孔間隔25mm、吐出量0.2~0.5L/min、散水幅1.2~2.8m)、スプリンクラー(吐出量2.0L/min、散水直径8m、高さ180cmの頭上に3m間隔で設置)も適している。導入コストはハウス(間口6m×50m)を想定した場合、散水ノズル付パイプが約6万円、散水チューブが約4.5万円、スプリンクラーが約8万円である。
イ 上記の灌水装置を用いたタイマー灌水により、慣行の手灌水(作業者1人で10a当たり)にかかる1回の灌水作業時間、約10.5時間が短縮される。
期待する効果
灌水作業時間の短縮により、ストック生産の規模拡大が可能となる。
連絡先
淡路農業技術センター農業部 0799-42-4880 (作成者:満田 祥平)