開発技術名

「地域産材を用いた高付加価値なフローリングボードの製造技術」

 

技術開発の経緯

 県産スギ合板について、構造用としては繊維方向の曲げヤング係数が小さい(たわみやすい)こと、内装用としてはスギの表面硬度や耐摩耗性が低い(傷がつきやすい)こと、表面に化粧用突板を貼付しても死節や穴が表面に現れる(化粧性が低い)ことなどの欠点があり改良が必要である。そこで、県内の資源量が豊富で表面特性(硬さ、耐摩耗性)に優れたコナラ材を集成薄板(単板状)材にしてスギ合板に貼付し、高付加価値なフローリングボードを開発した。

 

開発技術の内容

ア 厚さ9mmのスギ合板に厚さ3mmのコナラ集成薄板を表裏に貼付することによって、曲げ強さが1.5~2倍になる。
イ スギ合板の表裏にコナラ集成薄板の繊維方向を直交するよう貼付すると、室内環境を想定した温湿度変化時(40℃,80%→40℃,30%→20℃,65%)にほとんど幅ぞりが発生しない。
ウ コナラ集成薄板はその表面硬度や耐摩耗性が高く、化粧性も優れていることから、スギ合板の表面性能が格段に向上する。
エ コナラ材は乾燥時に、落ち込み、ねじれ等の変形が生じるが、乾燥前半時の乾燥速度を抑え、同後半の乾燥温度を40℃以下にすることによって、これら欠点発生を少なくできる。

 

期待する効果

 県産材のみで高付加価値なフローリングボードの製造が可能となる

 

連絡先

 森林林業技術センター木材活用部 0790-62-2118 (作成者:山田範彦)