開発技術名

「スギ横架材の利用を推進するスパン表&高強度梁仕口の開発」

 

技術開発の経緯

 一般の木造軸組工法住宅において、梁や桁(横架材)に使用される木材量は全体の約3割を占めるが、現状はその9割以上にベイマツやスプルース集成材等の外材製品が用いられている。
 スギ材は、強度的には問題ないとしてもたわみやすさが問題となる、比較的柔らかいため接合耐力が低い等の理由で、県内大多数の工務店、建築士等は横架材への利用を不安視する傾向にある。
 そこで、成熟を続け、大径材化に向かいつつある県産スギ材の利用拡大に寄与できる横架材としての利用技術を提案するため、①たわみにくく安全性の高い横架材の寸法・支点間隔計算表(スパン表)と②接合方法を検討した。

 

開発技術の内容

ア たわみにくさへの信頼性を高めるスパン表ソフト“簡単木構造部材算定”
 ①県内の建築地域を指定し(地域ごとの積雪荷重値が自動的に反映される)、②部材使用部位・隣接する梁間隔・支点間隔・梁幅等を入力すれば、③たわみにくく安全性の高い梁高さが自動的に算出される。これにより、スギ横架材の最適断面寸法を簡易に算出できる。
イ 接合部の信頼性を高める高強度梁仕口“Tajima TAPOS”(但馬テイポス)(特許出願済み)
 梁と梁の接合部(仕口)を従来のU字型から新しいV字型の形状とすることで、耐力を従来のプレカット仕口の1.7倍(外材比)~3倍(スギ材比)に高める仕口を開発した。県内プレカット工場と協力し、自動ラインでの量産加工も可能である。

 

期待する効果

 スギ横架材利用に際しての懸念事項が克服され、今後の利用推進が期待できる。

 

連絡先

 森林林業技術センター木材活用部 0790-62-2118 (作成者:永井 智)