開発技術名
「林地残材搬出可能量の推定値の把握と効率的な林地残材の搬出方法」
技術開発の経緯
再生可能エネルギー特措法に基づく、固定価格買取制度がH24年7月からスタートした。
同制度において木質バイオマス発電のうち、燃料を林地残材等とする場合の買取価格は33.6円/キロワットとなっている。
伐採後、丸太の搬出時に発生する残材(タンコロ及び端尺材)の量、最適な搬出方法及び搬出コストを調査した。
開発技術の内容
①丸太生産量に対して搬出可能な林地残材量は、タンコロ4~16%、端尺材1~15%、全体では約1割であった。
②丸太搬出と同時に林地残材を搬出する最適な方法は次のとおりであった。
ア 車両系高性能林業機械(プロセッサ)によって丸太を生産する。
イ この作業をコンテナの上で行うことで搬出される残材をそのままコンテナに回収する。
ウ 荷積みの完了した丸太の上にこのコンテナを乗せる。
エ そのまま、バイオマス生産施設に搬入する。
この方法による搬出コストは、林地残材1m3当たり2,000円以下であった。
期待する効果
間伐の場合、50m3/ha搬出では、約5トン/haの残材が搬出され、森林所有者への利益還元は約5千円/haであった。
木質バイオマス生産施設への原材料の安定供給と低コスト化によって採算性が向上する。
災害時に林地残材等による流木被害が減少する。
連絡先
森林林業技術センター木材活用部 0790-62-2118 (作成者:石坂知行)