開発技術名

「安価・簡易・面的なスギ心材色の測定・評価方法」

 

技術開発の経緯

 スギ心材は、個体間や個体内で赤心材から黒心材まで多様な材色を呈する。一方、乾燥処理条件の違いによっても心材色は変化する。心材径は樹幹の肥大成長に伴って直線的に増大するため、大径化するスギ材の利用を促進する上において、心材の材色管理は重要な課題である。
 そこで本研究では、スギ材の多様な心材色、並びに乾燥処理条件の差違に伴う材色変化について、安価で簡易、かつ面的に測定・評価する手法を考案した。

 

開発技術の内容

 心材色の明度を簡易かつ面的に測定・評価するための方法は以下の通りである。製材後、各種熱処理(乾燥)後、仕上げ後の各過程において、1)汎用のフラットベッドスキャナで材面のグレースケール画像を取得し、2)画像解析フリーソフトImageJにより材面全体の明度分析を行う。この時、明度分析による最頻値(Mode)を指標とすることで、熱処理条件の差違に伴う心材色の変化過程について、限定的な点ではなく、広範囲の面で捉え、評価することができる。

 

期待する効果

 フラットベッドスキャナと画像解析フリーソフトがダウンロードされたPCがあれば、簡単に心材色の測定と評価を行うことができるため、製材工場等における製材品の心材色管理への活用が期待できる。

 

連絡先

 森林林業技術センター木材活用部 0790-62-2118 (作成者:永井 智)