開発技術名

「一貫作業と低密度植栽による低コスト再造林手法」

 

技術開発の経緯

 更新期を迎えた人工林については、有効活用と資源循環の観点から皆伐・再造林を推進する時期に来ているが、現在の木材価格での伐採収入では再造林経費を賄えないため、皆伐後に更新(人工植栽)が行われず、森林機能の低下が問題となる危惧がある。このため、皆伐から植栽までの新たな施業方法の開発が求められている。そこで、本県に適合した皆伐から植栽までの新たな再造林施業方法を検討するに当たり、試験的に実施する施業の功程調査(作業量の調査)及び施業コストの分析を行った。

 

開発技術の内容

 従来方法と比較して地拵え(伐採跡地を植栽しやすいように整地すること)から植栽にかかる人工数(延べ作業員数)及び経費を削減する方法は、
ア 皆伐に当たって、伐採作業とこれに続く地拵え作業(伐採跡地を植栽しやすいように整地すること)・植栽作業を一連の作業として実施する。
イ 植栽は現行の3,000本/haを2,000本/haと低密度植栽とする。
ウ この方法により、人工数が裸苗使用で56%、コンテナ苗使用で72%削減でき、経費(苗木代+労務費)では裸苗使用で44%、コンテナ苗使用で30%削減できる。

 

期待する効果

 木材の販売価格と施業コストから勘案すると、植栽~伐採までのすべての施業のコストダウンが必要であるが、本方法はその一助になり、本県林業の収益性向上に貢献する。

 

連絡先

 森林林業技術センター森林活用部 0790-62-2118 (作成者:髙山 勉)