開発技術名

「コンテナ苗養成技術」

 

技術開発の経緯

 県内にコンテナ苗の生産者はいるものの、確たる養苗技術や苗木の規格等が確立されていない。今後の新規生産者参入のために標準となり得るコンテナ苗養苗技術の確立を目指した。

 

開発技術の内容

ア コンテナは高床施設で栽培する。かん水はタイマー式自動かん水装置を用いて、コンテナ容器の下部分の根が乾かないようにかん水する。床替えと根切り作業は不要である。
イ 播種は温床容器により厳冬期に行う。成長の初期段階でコンテナに鉢上げする。この方法により播種量を約30%節約し、次春に成長する期間を長くすることができる。培土はパーライトとココビートを主体とした培土を用いる。本培土により、養苗期間が短縮し、スギ・ヒノキ・マツでは播種から15~18ヶ月での出荷が可能となる。
ウ 本コンテナ栽培により地際径は細くなるが、これは高密度での育苗が原因である。しかし、植栽後2年目には大きく改善し、普通苗と差がみられなくなる。

 

期待する効果

 コンテナ容器の購入等や高床栽培、人工培土等の経費は必要であるが、通常の露地栽培に比べて植付管理用の農用機械の初期投資が少なくて済むため、新規参入が容易な栽培技術として普及が見込まれる。また、箱播きから成長初期で鉢上げする方法は多品目少量生産が求められる広葉樹苗木の養成にも播種量の節約と活着の良さの利点を生かして応用が期待される。

 

連絡先

 森林林業技術センター森林活用部 0790-62-2118 (作成者:岩槻和正)