開発技術名

「種多様性確保のための長期的に持続可能な里山管理手法の確立」

 

技術開発の経緯

 里山の夏緑二次林の再生・保全は、里山景観の維持をもたらし、災害等の軽減や、医療分野での有益な生物資源の確保等につながるとされている。そこで、長期間にわたって持続的に健全な里山生態系を保全するために、管理後10~15年経過した里山を調査し、種多様性保全の観点から管理方法を確立した。

 

開発技術の内容

 優占種を選択的に下草刈りした結果、相対光強度20%以上の地点では夏緑二次林の種を中心に種数の増加がみられたが、20%より低い地点では種数の増加がみられなかった。
20%以上であっても出現種数が80種程度に達している地点では、種数の増加がみられなかった。
選択的下草刈りを実施しないと、実施した地点よりも種数が少なくなる傾向がみられた。
以上のことから、種多様性の保全効果を持続させるための管理方法は、①5~6年に1回を目安に照葉樹やネザサ、コシダ、ウラジロ等の選択的下草刈りを実施する、②相対光強度20%未満の地点では、高木層の択伐も同時に行うのがよいことを明らかにした。

期待する効果

 森林ボランティアによる里山保全管理作業の継続

 

連絡先

 森林林業技術センター森林活用部 0790-62-2118 (作成者:山瀬敬太郎)