開発技術名

「植生回復と森林再生のための鹿排除柵の設置方法」

 

技術開発の経緯

 大面積を鹿排除柵で囲い込んだ過去の事例では、その後の柵の保守点検が不十分な場合や不慮の事故により、ニホンジカの採食圧によって植生回復や森林再生が十分でない場所が多数見受けられた。そこで、より効果的に植生回復や森林再生を促進するために、鹿排除柵の設置方法を検討した。

 

開発技術の内容

 鹿排除柵のサイズは1,000㎡以下で形状は円形とすることが、現地での施工性が高く、森林の植生を保全する点で良好であった。設置場所は、勾配が緩やかになる斜面部でかつ土砂流出対策を施した場所や谷部が、埋土種子ポテンシャルによる植生回復が良好で、鹿の食害防止効果が高いことが明らかとなった。

 

期待する効果

 伐採地や広葉樹林整備地において、効果的な鹿排除柵を設置することによって、埋土種子や散布種子と、植栽木や萌芽個体の組み合わせによる森林再生を図ることが可能となり、多様性の高い豊かな森や災害に強い森を創ることができる。

 

連絡先

 森林林業技術センター森林活用部 0790-62-2118