開発技術名

「ウリハダカエデ(シカ不嗜好性植物)のコンテナ苗を生産する技術」

 

技術開発の経緯

 シカ生息密度の高い本県において伐採後の再造林・被災地の樹林化を確実にするため、シカの食害に強いシカ不嗜好性植物(ウリハダカエデ等)の導入が期待されているx。また、通年植栽が可能なコンテナ苗の導入による、下刈回数の抑制など保育コストの縮減も期待されている。

 しかし、県内におけるシカ不嗜好性植物の苗木生産の実績はなく、特にコンテナ苗は全国的にも生産事例がない。

 葉が大きなウリハダカエデは、マルチキャビティコンテナ(植え穴が24個または40個空いた容器)上に密植させるコンテナ苗生産においては、葉が重なり合って生育に支障が生じると考えられていて、林業種苗生産者のコンテナ苗生産への意欲は低いため、ウリハダカエデコンテナ苗の生産が可能であることを実証する必要がある。

 

開発技術の内容

・ウリハダカエデのコンテナ苗の生産方法は次のとおりである。

  ア 冬に種を箱蒔きする

  イ 稚苗を春から初夏にマルチキャビティコンテナに移植する

  ウ 秋~翌春シーズンに1年生コンテナ苗を出荷する

 

期待する効果

 1年生コンテナ苗による植栽コストの縮減に加え、通年植栽によるスムーズな再造林・樹林化が実現し、シカ生息下における早期樹林化、主伐再造林の促進や災害に強い森づくりの推進が図られる。

 

連絡先

 森林林業技術センター 森林活用部 0790-62-2118 (作成者:小長井 信宏)