開発技術名

「事業の目的に合った資材が選定できる単木防除資材の評価手法」

 

技術開発の経緯

単木防除資材には数種類の製品が流通しているが、製品ごとに耐久性や網目の大きさ等の特徴が異なり、生存率、成長量や植栽木変形の起きやすさ等を比較したデータが少ないため、植栽樹種に応じた適切な防除資材を選択することは難しい。

 

開発技術の内容

・植栽樹種にふさわしい単木防除資材の評価手法は次のとおりである。

  ア 評価項目(資材の破損割合(%)、植栽木の変形割合(%)、食害の割合(%)、生存率(%)、樹高成長(cm))のモニタリング結果を偏差値

    に換算し、植栽樹種と防除資材の適性を定量化する

  イ 植栽樹種(スギ、アカマツ、クリ、クヌギ、ウバメガシ)にふさわしい防除資材の適性を偏差値で判断する

  ウ 事業の目的に応じて、上記評価項目に優先度をつけて防除資材を選定する

 

期待する効果

 この評価手法を用いて、発注者または事業主体が、事業の目的(防災林造成、林業経営等)に応じて重視したい評価項目の優先度を調整し、防除資材の選定基準をつくることができる。

 (例:治山事業では成長量を重視、林業経営では成長量に加え、変形割合、食害も重視)

 防護柵の設置が困難な区域において、適切な単木防除資材が選定できることで、シカ生息下における被災地の早期樹林化、主伐再造林の促進や災害に強い森づくりの推進が図られる。

 

連絡先

 森林林業技術センター 森林活用部 0790-62-2118 (作成者:小長井 信宏)