開発技術名

「シカ防護柵の跳び越え防止ロープ」

 

技術開発の経緯

 シカ防護柵の動物の侵入経路は、もぐりこみに次いで跳び越えが多く、跳び越えはシカ防護柵のネットがたるんだ場所で発生している。特に、ネットに土砂がたまりやすい区間では、経年の土砂の増加でネットのたるみが大きくなる傾向がある。

 たるみを小さくするために支柱の間隔を狭くするとコストが掛かるので、支柱間隔を狭くせずにネットの高さを保つ安価な技術が必要である。

 

開発技術の内容

 ア たるんだネットの上にロープを1本追加した場合に、シカがくぐり抜けないたるみの大きさ(ネットとロープのすき間)とネット高さの条件は、表-1のとおりである。

 イ 開発したロープは、耐久性が高い黄・黒の素材をより合せた、視認性の高いロープである。

期待する効果

たるんだネットの上にロープを1本追加することで、シカの跳び越え侵入を低減できる。

また、たるみが大きくなることを見越し、あらかじめ防護柵を設置する段階で跳び越え防止ロープを張ることで防護柵の機能を長期間確保できる。

視認性が高いため、倒木や落石による不具合が離れた場所から発見しやすく、見回り点検の負担を軽減できる。

シカ侵入の低減と見回り点検負担の軽減が実現し、シカ生息下における早期樹林化、主伐再造林の促進や災害に強い森づくりの推進が図られる。

 

連絡先

 森林林業技術センター 森林活用部 0790-62-2118 (作成者:小長井 信宏)