開発技術名

「基礎生産簡易測定技術の開発」

 

技術開発の経緯

 近年、瀬戸内海海域では、貧栄養化による水産資源への影響が懸念されている。しかしながら、本海域における低次生物生産に関する知見(生産量、生産速度、転換効率等)は断片的であり、測定方法も煩雑かつ多大な労力を要するものであった。このため、海域の生物生産を簡易に測定する技術の開発が求められていた。

 

開発技術の内容

 光合成活性を測定する機器(PAM:パルス変調型光合成活性測定装置)を活用して現場海域での基礎生産速度を推定する方法を確立した。また、従来法(酸素明暗瓶法や同位体法)による測定結果と比較検討し、兵庫県播磨灘海域では基礎生産に及ぼす光合成生物現存量の寄与率が大きいことも明らかにした。

 

期待する効果

 栄養塩濃度が基礎生産や高次生産(漁業生産)に及ぼす影響を評価するための測定技術・基礎資料としての活用。

 

連絡先

 水産技術センター水産環境部 078-941-8601 (作成者:宮原 一隆)