開発技術名
「他県産天然アサリと県産養殖アサリの身入りと旨み成分の比較」
技術開発の経緯
天然アサリの漁獲量が激減し、それを補うようにアサリの垂下養殖が西播海域で盛んになり始めた。身入りも味も非常に良いので評判になりつつあるが、その根拠となる具体的な数字がない。消費者に更にPRするためには、他県のアサリと比べてどれくらい優れているのかを示す必要がある。
開発技術の内容
天然アサリ漁獲主要3県、中国産アサリ及び兵庫養殖アサリについて、身入り(肥満度)、旨み成分及びグリコーゲン含量を調べた。
ア 兵庫県産のみが肥満度26.1と高い値を示す(他の海域は16.7~24.3)。
イ 旨み成分では、甘みを示すグリシン量が他県産より14~60%多く、総遊離アミノ酸量も最も多い(1,598 mg/100 g、他の海域は1,340~1,569)。
ウ 「こく」と味の持続性を増大させるグリコーゲンも、最も高い値(6.5 g/100 g)を示す(他の海域は3.3?6.4)。
エ 旨み成分やグリコーゲンは肥満度と相関したので、肥満度25を目安に出荷すると良い。
※肥満度:身入りの程度を評価する指数で、[内容重量g/(殻長cm×殻高cm×殻幅cm)]×100で計算される。
期待する効果
分析結果を基に具体的に身入りの良さや味をPRすることで、県産養殖アサリのさらなる普及を図る。
連絡先
水産技術センター水産増殖部 078-941-8601 (作成者:安信 秀樹)