開発技術名

「半沈下式延縄アサリ養殖施設の開発」

 

技術開発の経緯

 アサリの垂下養殖は湾奥等の静穏海域に設置したいかだから砂入りコンテナを垂下して行われており、身入りが良く、市場評価が高いことから、生産量の増大が期待されている。しかし、いかだ式は波浪に弱く、養殖が可能な海域は限られてくるので、アサリ生産量の増大には限界がある。そこで、アサリ生産量の増大を図るためには比較的波浪のある海域でも垂下養殖が可能な技術を開発する必要があった。

 

開発技術の内容

ア 通常考えられる波浪に強い施設として延縄式養殖施設が考えられる。これは、フロートを一定間隔で配置し、それに幹綱を取り付け、両端に錨を取り付けた後、幹綱に砂入りコンテナを結びつけて垂下するものである。
イ 大型フロートは高価なうえ、海面から半分出ているので波浪の影響を受けやすい。そこで北海道のホタテ養殖で使われているように、大型フロート数を極力減らし、小型フロートを多数設置し、この小型フロートを水中に沈下させて、波浪を受けにくくすると(半沈下式)、波浪に非常に強くなり、設置費用を3割削減できる。
ウ いかだ式と比べ半沈下式延縄養殖では、垂下できるコンテナ数が少ないのがデメリットであるが、軽石を用いた網カゴは、砂入りコンテナの1/3の水中重量であるため、通常は1段吊りのところを3段吊りとすることができる。成長はわずかに劣るが身入りは変わらないことから、生産量を3倍にすることが可能となる。

 

期待する効果

 静穏な湾を持たない海域でもアサリの垂下養殖が可能となるので、養殖アサリの生産量の増大が期待できる。本結果を受けて半沈下式延縄養殖を新たに導入する養殖業者には助成金が出ることとなった。

 

連絡先

 水産技術センター水産増殖部 078-941-8601 (作成者:安信秀樹)