開発技術名

「乳成分分析装置で推定した乳中脂肪酸組成による牛群評価のための基準値策定」

 

技術開発の経緯

 乳成分分析装置で推定した乳中脂肪酸組成(MFA)に基づいて泌乳牛の飼養状況を評価し、酪農家に通知するサービスを令和元年5月より開始した。しかし、要注意牛を検出する基準値が暫定的なものであったため、県下の牛群検定農家から3か年にわたって集積したデータに基づいて飼養形態別に詳細な基準値を策定した。
 飼養形態の異なる酪農家5戸(TMR給与+フリーストール2戸,分離給与+繋ぎ飼い2戸,TMR給与+繋ぎ飼い1戸)で飼養された延べ6,525頭の泌乳牛成績を供試した。MFAとしてルーメン発酵由来のDe novo(D%)、体脂肪と飼料由来のPreformed(P%)の割合を測定した。飼養形態、農家(変量因子)、産次(初産,経産)、分娩後月数(1,2,3~9,10以上)を要因とした分散分析によりMFAへの影響を検討した。さらに、上記の要因を組み込んだ混合モデル式による予測値と実測値との差の分布曲線を基に、D%は下側20%点で、P%は上側20%点で予測値を調整し、各要因区分における基準値とした。

 

開発技術の内容

 D%の基準値は12.9~25.0%であり、各要因区分でこの値を下回った牛を要注意と判定する。P%の基準値は35.8~54.7%であり、各要因区分でこの値を上回った牛を要注意と判定する。

 

期待する効果

 飼養管理の改善、周産期疾病の予防により生乳生産を10%増産する。

 

連絡先

 淡路農業技術センター畜産部 0799-42-4880 (作成者:生田 健太郎)