開発技術名

「ミルカーのクロー内圧測定装置」

 

技術開発の経緯

 県指導機関と酪農団体が連携し、県下酪農家において搾乳機器の点検指導を行っている。しかし、現状の点検機器では実際の搾乳状態でミルカーの搾乳能力を評価できないため、模擬的に流速負荷をかけた状態での測定技術の実用化が望まれていた。
 また、県内の一部の農家では簡易な流水試験に基づくミルカー改造を行い、成果を上げる事例が出てきた。さらに、乳房炎の原因の25%は搾乳機器の不具合が原因と言われており、搾乳性向上に関連する本技術の開発に対して最優先で取り組む必要があるとされた。

 

開発技術の内容

 模擬乳頭に接続した圧力センサー、デジタル式流量センサーおよびタッチパネル方式のデータ記録装置からなるクロー内圧測定装置を開発し、装置をミルカーに接続し、流量を8kg/分から漸減していき、それに伴う乳頭直下、クロー内圧およびパルセーション波形の変動をCSVファイルで記録できる。
 また、本装置を活用したミルカーの搾乳能力改善診断技術を開発した。

 

期待する効果

対象:ミルカー点検・指導に基づいて改善を実施した酪農家
直接的な効果:乳頭先端への負担軽減(乳頭口スコア:1~4段階の1段階低減)体細胞数の低減(5万個/ml以上低下)。 乳量増加(10%程度)→1頭あたり乳量9,182kg(H32年度目標)、8,189kg(H24実績)
間接的効果:畜産課が推進する「ひょうごの乳牛」乳量・乳質アップ推進事業をバックアップする。県民へ良質県産牛乳を安定供給できる。

 

連絡先

 淡路農業技術センター畜産部  0799-42-4880 (作成者:山口悦司)