開発技術名
「分娩後早期の定時人工授精(Ovsynbch+CIDR法)による繁殖成績の向上」
技術開発の経緯
酪農の経営安定化のためには繁殖成績の向上が必要不可欠であるが、県下酪農家には分娩後の初回授精が遅い農家や初回受胎率の低い農家が多く、繁殖成績低迷の大きな要因となっている。このことから、分娩後早期から利用可能な繁殖成績改善技術が求められている。
開発技術の内容
乳牛の分娩後早期(分娩後64-70日に処置を開始)からOvsynch+CIDR法1)による定時人工授精技術を活用することで、初回人工授精日数の短縮及び初回人工授精受胎率の向上が可能である。暑熱ストレスの影響の少ない時期には、特に高い受胎率を得ることができる。
1)Ovsynch+CIDR法:性ホルモン処置開始日にGnRH製剤を筋肉内注射すると同時に、膣内に留置型プロジェステロン放出製剤(CIDR)を挿入。7日後にCIDRを抜去すると同時にPG製剤を筋肉内注射。48時間後に2回目のGnRH製剤を注射し、さらに16-20時間後に人工授精を実施する。
期待する効果
2015年の県内牛群検定農家平均と比べ、20日の初回授精日数の短縮と、15%の初回授精受胎率の向上が期待でき、繁殖成績向上により安定した酪農経営が可能となる。
連絡先
淡路農業技術センター畜産部 0799-42-4880 (作成者:石川 翔)