開発技術名

「子牛への粗飼料給与開始時期の解明」

 

技術開発の経緯

 黒毛和種子牛に育成期後半から粗飼料を多給すると、肥育段階で枝肉重量が増加し経済性が増すことから、粗飼料多給への取り組みを全県的に推進している。その反面、育成期前半であるほ乳期に粗飼料を給与することの是非については様々な報告がある。そこで、但馬牛における粗飼料給与開始時期の違いが、子牛の発育に及ぼす影響について調査した。

 

開発技術の内容

 粗飼料(チモシー乾草)の給与開始時期を1週齢、4週齢及び8週齢で比較したところ、8週齢の場合、体重は小さく、摂取した養分の総量も少なく、第一胃内に体毛や敷料などの他の繊維物の摂取がみられたことから、粗飼料は1~4週齢までに給与を開始する必要がある。また給与量は、ほ乳期間中の粗飼料摂取割合が約15%を超えると発育や人工乳の摂取量が抑制されたことから、15%以下に制限する方がよい。

 

期待する効果

 4週齢までに粗飼料給与を開始することにより、出荷までの粗飼料摂取量が約20kg増加するとともに出荷時体重を約10kg改善することができる。

 

連絡先

 北部農業技術センター畜産部 079-674-1230