開発技術名
「発育不良肥育素牛の発育改善技術」
技術開発の経緯
但馬牛の肉質が素晴らしいことは広く知られているが、小型であることが欠点とされている。子牛市場での日齢増体量が0.9kg未満の牛は通常の肥育方法では標準の増体を示さず脂肪交雑も低い。枝肉成績では去勢牛で枝肉重量が360kg以下である軽量な牛が全体の20%を占め、重量の小さい牛は脂肪交雑も低く肥育農家の経営を苦しくしている。そこで、子牛市場での日齢増体重が0.9kg未満の牛の枝肉成績を向上させる肥育技術の開発に取り組んだ。
開発技術の内容
但馬牛去勢肥育牛への濃厚飼料中の非繊維性炭水化物(NFC)濃度を現行の「但馬牛去勢肥育マニュアル」よりも5%低下させると、
ア 肥育中・後期の濃厚飼料摂取量が増加する。
イ 第一胃液性状の酢酸/プロピオン酸比率が高くなる。
ウ 枝肉重量が35kg以上重くなる。
なお、NFC濃度を肥育マニュアルの10%以上低下させると尿石症を発症する可能性があるため、注意が必要である。
期待する効果
但馬牛去勢肥育牛の枝肉価格が105,000円(枝肉単価3,000円×35kg)増加する。
連絡先
畜産技術センター家畜部 0790-47-2430 (作成者:岩本 英治)