開発技術名

「丹波黒在来系統からの有望系統の選抜」

 

技術開発の経緯

 丹波黒栽培地域における減収要因を調査した結果、温暖化による品質低下、ダイズ茎疫病やダイズモザイクウイルス(SMV)等による病害が主な要因と考えられた。そこで、品種対策の観点から、これまで収集してきた丹波黒在来系統の中から気候変動に強く、病害抵抗性を有した系統の選抜と収量性の把握を行い、現地適応性を評価した。

 

開発技術の内容

ア 兵庫県丹波地域から収集した丹波黒在来系統55系統を場内及び丹波篠山市、丹波市において特性調査を行ったところ、5系統が、いずれの地域においても茎疫病、SMVの発病株率が0~5%と低く、高度な耐病性を有する。
イ その内の3系統は兵系黒3号(丹波黒大豆の1系統)に比べて、主茎長がやや長く、1株当たり莢数は122~166莢と兵系黒3号の90莢に比べて多い。
ウ 百粒重は70g程度で、兵系黒3号(76g)よりやや軽いが、2L率以上の割合は70%以上と高い。成熟期は兵系黒 3 号より1週間程度早く、収量性についても135%以上である。

 

期待する効果

 丹波黒の温暖化対策を進めるため、様々な分析を行った結果、3系統は病害抵抗性、収量性の面から有望である。また、枝豆にも活用できるため、農家収入の増加が期待できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412 (作成者:杉本 琢真)