開発技術名

「紫黒米新品種「ゆかりの舞」の育成」

 

技術開発の経緯

 紫黒米は玄米表面にアントシアニン色素があり、赤い酒等の加工製品の着色原料として利用され、色素の機能性が注目されている。平成14年に品種登録した紫黒米品種「むらさきの舞」が、たつの市や加西市等で栽培されているが、長稈で耐倒伏性が不十分であり、芒の発生が多く、長いため、収穫~調製作業に支障があり、栽培特性の改善が求められてきた。また、多収性品種への要望が大きい。そのため、交配母本に、無芒で耐倒伏性が強く多収性の「兵系カ43号」と玄米色が濃い紫黒米系統「育253-10」を選定し、育成を行った。また、既存品種「むらさきの舞」との比較のため、平成19年度より、龍野及び加西農業改良普及センターの現地試験をたつの市や加西市で実施し、生産者や実需者から高い評価が得られた。

 

開発技術の内容

 紫黒米新品種「ゆかりの舞」は、短強稈で耐倒伏性が極強である。芒の発生が少なく短い。収量性は、「むらさきの舞」より16%程度高い。ただし、穂いもちの発生がやや多いので、発生に留意し、適切な防除を行う必要がある。平成22年1月14日に品種登録完了。

 

期待する効果

 既存の「むらさきの舞」に替わる紫黒米品種として、平成22年度から普及し、平成23年度からは全面的に「ゆかりの舞」に品種転換する。普及見込みは、たつの市や加西市を中心に県内約5ha。なお、「ゆかりの舞」の「栽培のポイント」を作成しているので活用願いたい。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部酒米試験地 0795-42-1036