開発技術名
「醸造特性を考慮した「Hyogo Sake 85」の施肥体系の開発」
技術開発の経緯
本県育成の酒米新品種「Hyogo Sake 85」を用いて、酒造メーカーの輸出対象国である欧州の日本酒の嗜好(純米酒、本醸造など)に応じた新製品の開発と輸出促進を行っている。そこで、高品質で多収に加え、輸出用の醸造特性を考慮した「Hyogo Sake 85」の施肥体系を確立する。
開発技術の内容
ア 肥効調節型肥料(R555)(窒素成分6, 8, 10kg/10a)を用いた場内2年間の収量・品質データと各施肥条件における玄米メタボローム解析による36項目の醸造特性(蒸し米消化性、発酵特性、清酒香気成分等)の予測値から、最適な窒素施用量は8kg/10aである。
イ 目標の収量構成要素は着生籾数24,000~26,000粒/m2(穂数:300~350本/m2, 一穂籾数65~75粒)、登熟歩合75~80%、千粒重27.3~27.8g、目標収量は499kg/10aである。
ウ この施肥体系で施用した場合、消化性、カプロン酸エチルの量、酢酸イソメチルの量など、醸造特性は最も良好である。
期待する効果
「Hyogo Sake 85」の高品質多収栽培技術の確立に加え、「Hyogo Sake 85」を用いた輸出用日本酒のコンセプト及び新製品の開発を行うことで、輸出促進につながる。新温泉農業改良普及センター管内で施肥体系の現地実証を行った結果、実収は568kg/10a、千粒重27.2gとなり、収量面での現地適用性は高かった。
連絡先
農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412 (作成者:杉本 琢真)