開発技術名

「「コウノトリ育む農法」の良食味栽培指針の策定」

 

技術開発の経緯

 「コウノトリ育む農法」の「無農薬タイプ」栽培における玄米タンパク質含有率について、良食味の上限指標である6.5%(水分14.5%)を超えるほ場が例年20%程度見受けられ、低タンパク化への改善技術が求められている。ところが、従来のコシヒカリ良食味栽培指針と生育の様相が異なるため、「コウノトリ育む農法」に適合する新たな栽培指針の策定を試みた。

 

開発技術の内容

ア 収量420kg/10a以上、玄米タンパク質含有率6.5%以下の収量と良食味を両立するには、穂首分化期(出穂前40~35日)の葉中窒素含有率が3.9%以下であれば窒素成分2.0kg/10a、3.9~4.2%であれば同1.0kg/10aを、出穂前25~20日に追肥する(穂肥施用)。
イ 穂肥を施用しないほ場は、出穂期にかけて中干し~間断かんがいを積極的に実施する。
ウ 穂揃い期における葉身窒素含有率は慣行栽培より高い値を示すが、2.8~3.2%以下(従来2.4~3.0%)であれば、玄米タンパク質含有率は良食味基準の6.5%以下になる。
エ 穂揃い期における茎数を300本/m2(穂首分化期から5%減)確保し、この栽培指針に基づいた肥培管理を実施することにより、収量420kg/10a以上、玄米タンパク質含有率6.5%以下となることが見込まれる。

 

期待する効果

 指針の活用により良食味米を生産するとともに、適切な穂肥判断により、収量増にもつながる。安定した収量・品質が得られることにより「コウノトリ育む農法」の栽培面積が増加する。

 

連絡先

北部農業技術センター農業・加工流通部  079-674-1230 (作成者:小河 拓也)