開発技術名

「酒米の簡易消化性検定法の開発」

 

技術開発の経緯

 近年の酒米生産現場では温暖化の影響を受けており、酒米の溶けやすさの指標である「消化性」の低下が大きな問題となっている。酒造メーカーや生産者は当年産の原料米の消化性に関する迅速な情報を求めているが、現在の分析方法であるアミロペクチン側鎖長などのデンプン構造の分析には多くの労力を要している。そこで、酒米の消化性について、尿素溶解法による簡易検定法を開発した。

 

開発技術の内容

ア 玄米または白米を用いた尿素溶解法による酒米の消化性簡易検定法を開発した。詳しい検定法は次の通りであった。  96穴マイクロプレートの各セルに玄米又は白米の半粒を入れる。4M尿素溶液200μlを分注し20℃(白米30℃)で24時間静止する。24時間後、酸性化ヨウ素液(0.2%I2/1%KI+0.5%酢酸)20μlを追加し呈色する。呈色後、デジタル写真撮影した画像のセル毎のRGB値を画像ソフト(「スポイト君」:なたで)で測定する。96サンプルのR、G、Bの各値の合計値を指標値とする。RGB値は(R:0、G:0、B:0)が黒、(R:255、G:255、B:255)が白である。溶解しやすい場合は濃い藍色になり指標値は小さく、溶解しにくい場合は黄色で指標値は大きい。「山田錦」玄米での消化性(Brix)が12%以上(酒米研究会が示す山田錦の優れた消化性の値)になる指標値は200以下である。
イ 玄米粒において水分含有率(11、14、16%)は尿素溶解の程度に影響を与え、水分含有率が低いサンプル(11%)ほど呈色は強い。検定を行う際にはサンプルの水分含量に留意し、15%前後の一定の水分含量のサンプルを用いる。

 

期待する効果

 原料米の消化性を迅速に検定することができるため、これらの情報から当年産の醸造条件を迅速に決定することができ、安定した酒質を持った製品の生産につながる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412 (作成者:杉本 琢真)