開発技術名

「酒米「山田錦」の湛水直播栽培における初期生育抑制技術の開発」

 

開発技術名

「酒米「山田錦」の湛水直播栽培における初期生育抑制技術の開発」

 

技術開発の経緯

 酒米品種「山田錦」は、加東市や三木市口吉川町を中心に営農組合による湛水直播栽培が普及拡大している(平成24年度:100.5ha)。一方、直播栽培は初期生育が旺盛で、特に「山田錦」では品種特性からも過剰な茎数や穂数となりやすく、倒伏の助長や登熟歩合の低下で収量や品質の低下が問題となっている。そのため湛水直播栽培で過剰な初期生育を抑制するために、肥効調節型肥料や深水栽培の効果の検討を行った。なお、平成24~25年度はカルパーコーティング゙による条播、平成26年度は鉄コーティングによる点播で行った。

 

開発技術の内容

ア 肥効調節型肥料(セラコートR555:速効性N40%・緩効性N60%(R90日20%・R130日40%))は速効性の普通化成肥料(山田錦化成)に比べて初期生育を抑制できる。また、初期の肥効を抑制した肥料構成の肥効調節型肥料(ハイセラコートR500:速効性N20%・緩効性N80%(R90日20%・R130日60%))の初期生育抑制効果はさらに大きくなる。
イ 苗立ち後草丈が約25cmの生育時(播種17日後)から幼穂形成期まで水深18cmを維持することにより、慣行(5cm)に比べて最高分げつ期の草丈は3cm短くなり、分げつ数も13%少なくなる生育抑制効果が認められる。

 

期待する効果

 本技術は、「山田錦」の湛水直播栽培における初期生育を抑制し登熟向上に活用できる。

 

連絡先

農業技術センター農産園芸部 0790-47-2412  (作成者:池上 勝)