開発技術名

「UECSを利用した環境制御施設における耐候性の高い低コスト遠隔制御システム」

 

技術開発の経緯

 自作可能な低コスト環境制御システムが開発され、多方面での活用が試みられている。しかし現行システムはモニタリング用PCを全ハウスに設置するためコストがかかり、耐候性の面でトラブルが多い。そこで、スティックPCやルーター類の通信機器類を集約し、施設妻面等に設置可能で、かつ1台で複数の施設をモニタリング及び制御可能な耐候性の高い遠隔制御システムを開発した。

 

開発技術の内容

ア スティック型PC、インターネット通信用のモバイルルーター、無線LANルーター等で構成される。これらを防水・防塵ボックスに収納し、小型ファンにより強制通風することで高温や強日射、水濡れを回避でき、栽培温室内等の過酷な環境下でも安定して稼働する。
イ 本装置をUECS規格に準拠した環境制御システムと接続すると、無線LANルーターを介した無線LAN通信により、タブレット等から中距離(半径30m程度)での遠隔制御が可能で、LAN内に接続されたすべてのUECS対応センサーや制御機器にアクセスが可能である。
ウ インターネットに接続されたモバイルルーターを経由し、本体のスティックPCにリモート接続を行うことで、スマートフォン等から長距離での遠隔制御が可能である。接続には「Google Chrome Remote Desktop」などのフリーソフトを利用する。これにより、本体のPCで行える作業を概ね遠隔操作により可能である。
エ 必要部材はすべて市販品で容易に入手・加工でき、コストは1式で72,300円と試算される。

 

期待する効果

 遠隔制御による機器トラブルの未然防止や緊急対応、ほ場の見回り省力化などが図れる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423 (作成者:渡邉 圭太)