開発技術名
「ハンドプランターによる小丸種芋定植、マルチ栽培及び日射制御型拍動自動灌水を組み合わせたヤマノイモの省力、秀品多収生産技術」
技術開発の経緯
「ヤマノイモの安定多収技術の開発及び現地実証(H22-24)」において、小丸種芋の生産方法と小丸種芋を使ったヤマノイモの栽培技術及び日射制御型拍動自動灌水装置とマルチ栽培を組み合わせた安定生産技術を確立した。さらなるヤマノイモの省力生産、秀品多収生産のために、灌水時期の検討や小丸種芋と灌水装置の組み合わせによる省力栽培方法について検討した。
開発技術の内容
ア 前年育成した小丸種芋を切断せずにハンドプランター (M社製)で定植する省力栽培と、萌芽期の5月から芋肥大期の9月中旬まで、晴天時に日射量に連動し自動的に灌水できる拍動灌水装置の利用、さらにマルチ栽培を組み合わせてヤマノイモを栽培する。
イ 日射制御型拍動自動灌水とマルチの組み合わせにより、秀品が多収できることと、灌水作業及び除草の省力化ができる。
ウ ハンドプランターによる小丸種芋定植は、腰をかがめる事なく定植でき、収穫した芋は規格外品がやや増加するものの、価格の高い秀品収量は慣行の切り芋栽培より10%多くなる。
エ 種芋費用の軽減、秀品収量の増加により、拍動灌水装置代を差し引いても所得増加に結び付く。
期待する効果
日射制御拍動自動灌水装置を導入し、マルチ栽培と組み合わせ、小丸種芋で栽培した場合、灌水装置を使わずに種芋購入して栽培する慣行栽培に比べて粗収益が27%、所得は29%増加する。
連絡先
北部農業技術センター農業・加工流通部 079-674-1230 (作成者:竹川 昌宏)