開発技術名

「トマト栽培施設における換気状況に応じた効率的炭酸ガス施用技術」

 

技術開発の経緯

 施設トマト栽培では、増収技術として炭酸ガスの日中低濃度施用が普及しつつある。しかし換気のない時間帯には、より高濃度での施用が効果的である。そこで、装置稼働状況を制御に反映できる自作型UECSを用い、換気状況に応じて施用濃度を自動調節できる炭酸ガス施用技術を開発した。

 

開発技術の内容

ア プロパンガス燃焼方式の炭酸ガス発生装置を自作型UECSの制御ノードに接続し、日中に施設内炭酸ガス濃度が設定値を下回った際に稼働させる。
イ 設定値は側窓開度が10%未満の際は800ppm、10%以上の際は400ppm(外気と同等濃度)とし、いずれも1~数分の稼働時間と数分の休止時間を繰り返す間欠動作とする。稼働時間及び休止時間は使用する炭酸ガス発生装置の能力及び施設面積により調整する。
ウ 装置稼働によりトマトの吸水量が増加するため、灌水ないし給液量を慣行より10%程度増やす。有機主体の少量培地耕において、収穫始期より日射比例灌水(積算日射量2MJ/㎡ごとに250ml/株)を行う場合、培地体積含水率37%を基準に強制灌水を組み合わせる。
エ 加温抑制作型のトマト栽培施設において本技術を導入すると、個葉の光合成能力が向上し乾物生産量が増大する。これにより、果実品質を維持しつつ約20%の増収が可能である。
オ 10a当たり導入経費23.1万円、増収益45.4万円で22.3万円の費用対効果が見込まれる。

 

期待する効果

 光合成促進による収量性の向上が図れる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423 (作成者:渡邉 圭太)