開発技術名

「ヘアリーベッチを緑肥としたキャベツ施肥量低減技術」

 

技術開発の経緯

 県下の露地野菜生産では環境負荷軽減を図るための化学肥料削減技術が求められている。水稲ではヘアリーベッチすき込みによる環境にやさしい栽培技術が確立され現場での普及が進みつつある。そこで、緑肥作物として注目されているヘアリーベッチのキャベツでの化学肥料削減効果を検討した。

 

開発技術の内容

ア ヘアリーベッチ(以下、ベッチ)を9月または2月下旬に播種(5㎏/10a)し、開花盛期の6月にモアで刈り倒し、畑地状態で8月キャベツ作付け前まで放置する。
イ ベッチのすき込みにより3~7kg/10a程度の肥効が見込め、年内どりキャベツの慣行N施肥量を37kg/10aとすると、3割減肥でも慣行施肥並みの収量が得られる。ただし、ベッチすき込み量が少ないと作型によっては安定した緑肥効果が得られない。
ウ ベッチ群落高が70㎝以上で年内どりキャベツ全般に、群落高が40~60㎝で早生の秋どりキャベツの減肥に適用できる。40㎝より低い場合にはベッチ生育量が少ないため慣行施肥とする。
エ ベッチのC/N比は13前後と低く、すき込み後2週間程度で肥効が発現する。また、化成肥料の施用が多いとベッチ由来Nのキャベツへの吸収が低下する傾向があるため、追肥より基肥を減らすのが適切である。

 

期待する効果

 ひょうご認証食品などが志向されるケースでは化成肥料削減につながる技術として活用できる。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423 (作成者:西野 勝、牧 浩之)