開発技術名

「4、5月どり寒玉系キャベツの安定生産技術」

 

技術開発の経緯

 生産法人や集落営農組織においてキャベツの加工業務向け契約栽培の取り組みが増えている。しかし業務需用の多い寒玉系キャベツは、抽苔などの問題から4月中旬~5月中旬が端境期となる。そこで端境期出荷に向けた新たな寒玉系品種を選定し、その栽培技術を開発した。

 

開発技術の内容

ア 夏まき作型では、晩抽性の「YR503」(石井育種場)を用いる。県南地域では8月上旬、淡路地域では8月中旬に播種し、育苗約30日で定植する。窒素施肥は計40 kg/10a程度とし、追肥を年内に終えて外葉を充実させることで、4月中~下旬に加工に適した約2,000 gの球が得られる。
イ 県南地域の秋まき作型では、早期肥大性の高い「ことみ」(日本農林社)を10月上~中旬に播種し、11月上~中旬に定植する。12月下旬~3月下旬にかけて不織布をべたがけすることで5月中旬に収穫でき、寒害・鳥害の防止にもなる。窒素施肥は計36 kg/10a程度とし(ウの淡路地域も同様)、追肥はべたがけ期間の前後に行う。
ウ 淡路地域の秋まき作型では「ことみ」を10月中~下旬に播種し、11月下旬~12月上旬に定植する。収穫期はべたがけなしで5月中旬、また2月上旬~3月下旬にかけて不織布をべたがけすると5月上旬となる。追肥は尿素溶液(50倍)をべたがけ上から動噴で条間に施用してもよい。

 

期待する効果

 加工業務向けキャベツの作型・品種と出荷体系の選択肢が広がり、産地の強化が期待される。

 

連絡先

 農業技術センター農産園芸部 0790-47-2423(作成者:大塩 哲視)
 淡路農業技術センター農業部 0799-42-4880(作成者:竹川 昌宏)