開発技術名

「土壌撥水性の保水による発現回避技術」

技術開発の経緯

 施設軟弱野菜栽培において、蒸気消毒等熱消毒により土壌が水をはじき、発芽や生育を阻害する現象が神戸普及センター、三木普及センター管内で発生し、原因の究明と対策が要望提案された。これを受け平成19年に特定政策研究として取組み、現地調査及び室内試験により原因と対策を明らかにし、19、20年に現地実証試験を行った。

 

開発技術の内容

 均質な水滴を土壌に滴下して、侵入時間を測定する撥水性評価法を開発し、撥水の原因とその対策を実証した。
 風乾土を用いた室内試験により、撥水性は単なる乾燥だけでなく、蒸気のような湿熱が加わることで飛躍的に高まることを明らかにした。
 生土を用いた室内試験により、蒸気消毒を行うときの水分含有率が15%以上あれば撥水性は問題のない程度に軽減できることを明らかにした。
 現地調査により撥水性の出やすい土壌条件を明らかにした。
 蒸気消毒時に土壌の含水率を土壌調査ハンドブックの半湿(土を強く握ると手は濡れないが明らかな水分を感じる程度)に維持することで、消毒後の撥水現象が緩和されることを現地で実証した。

 

期待する効果

 蒸気消毒時に土壌の含水率を土壌調査ハンドブックの半湿に維持することで、消毒後の撥水現象が緩和され、発芽・生育不良が減少し、減収が回避できる(試験例、神戸現地:無対策54%減収→7%減収、三木現地:無対策45%減収→10%増収)。

 

連絡先

 農業技術センター環境・病害虫部 0790-47-2423